2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その10):ヴァナ・ディールをもう一度(1/2 ページ)
少し遅れた冒険者がお届けするヴァナ・ディール奮闘記。追加拡張ディスク「アルタナの神兵」の発売日が決まり、それまでにせめてレベル75にしようとがんばってますが、どうやら間に合いそうにありません……。
FFXI関連グッズの大いなる魅力について
少し前の話になるが、「FFXI」をプレイしている人の中で、2007年9月に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2007」に足を運んだ方はどれだけいるのだろうか。一応僕は、仕事という名目でビジネスデーの2日間だけ行かせていただいたのだが、スクウェア・エニックスの物販ブースの混雑ぶりには愕然とした。ゲームショウ開催と同時に物販ブースへ向かうとすでに長蛇の列ができあがっており、ほとんどの人がある商品を購入するために躍起になっていたのだ。
その商品とは、ゲーム内で「モーグリキャップ」という頭装備がもらえるコードが同封された「三国国旗キーホルダー」。販売個数が少なかったためか物販ブースが開店してまもなく、三国すべてのキーホルダーが完売する超人気ぶりで、結局その日は購入できずに終わってしまった。ゲームショウ開催直前、一緒にいた友人はやたらと「キーホルダーが売り切れないか心配だ」とぼやいており、僕はそのたびに「この世の中に売り切れるほど人気があるキーホルダーなど存在しないから大丈夫!」とタカをくくり励ましていたが、どうやらそれは大きな間違いだったらしい。常時余裕な態度をみせる僕に無理やり付き合わされた友人も購入できず、完売のアナウンスを聞くと同時にガックリと肩を落とした。何だか申し訳ない思いでかける言葉が見つからなかった僕に、彼は一言だけ言葉を発した。「FFXIのグッズは甘くみないほうがいい……」と。
幕張メッセから家へと帰り、何気なくオークションサイトで「三国国旗キーホルダー」を検索したとき、再び驚愕することになる。定価1500円(税込)で販売されていたキーホルダーが、当たり前のように数万円単位で出品されていたのだ。しかもそれを落札するために競っている人がいることに2度ビックリ。会場内で友人が放った言葉が蘇る。
「FFXIのグッズは甘くみないほうがいい」
まさにそのとおり。僕はこのとき、現実世界にも多大な影響を及ぼしているヴァナ・ディールに畏怖を覚えた。東京ゲームショウではさまざまなゲームが発表され、「FFXI」は拡張ディスク「アルタナの神兵」の発売日、追加ジョブの「踊り子」と、これからのヴァナ・ディールをいっそう盛り上げる内容が目白押しだったが、ゲーム内と直接リンクしているグッズの人気に一番驚かされた。来月に大阪で開催されるイベント「ファイナルファンタジーXI アルタナ祭りin大阪」にも、きっとたくさんのグッズが販売されるのだろうが、足を運ぶ予定の方は、後日通販も開始されるとのことなので会場で買えなくても安心という心づもりで参加されたし。
パンクラティオンに出場するモンスターを探して
9月11日に行われたアップデートで、新たなコンテンツ「パンクラティオン」が追加された。パンクラティオンの会場はアトルガン白門に設置されており、魔獣マスターとなったプレーヤーが捕らえたモンスター同士を互いに戦わせることができるという、「FFXI」の新たな試みを追求した新要素だ。
モンスターを捕らえるといっても、実際に戦ったり獣使いのアビリティが必要なわけではなく、「獣写器」と「獣影板」というアイテムを装備して対象となるモンスターに使うという簡単なもの。成功すれば「封獣板」というアイテムが得られ、これが自分の所持するモンスターとなる。
この「獣写器」と「獣影板」は、現実世界で言うところの「カメラ」と「フィルム」みたいなものなので、冒険者たちの間では「封獣板」を手に入れる作業を撮影と呼んでいるようだ。撮影により手に入れた「封獣板」は、会場にいるNPCに渡すと試合に出場できる「公式魔獣鏡」が完成する。ちなみに、撮影はヴァナ・ディールに生息するほぼすべてのモンスターから可能で、中にはミッションでしか登場しないようなレアなモンスターですら可能。
なお、これらのアイテムはパンクラティオン専用の通貨「ジェトン」と交換で入手することができる。いろいろと前置きが長くなったが、とにかくモンスターを撮影しないと始まらない。僕はアトルガン専用貨幣の「アトルガン黄金貨」をジェトンに換金し、早速撮影するモンスターを探す旅に出た。
とは言っても、この広大なヴァナ・ディールに生息するモンスターの数は計り知れず、ターゲットを決めるだけでも悩んでしまう。メインジョブである戦士のレベルも60と中途半端なので、あまり危険なエリアには足を運びたくないものの、できるだけレベルの高いモンスターを撮影しておきたい欲求もある。どうせなら、まだ行ったことのないエリアにしてやろうと思い、僕は某出版社から発売されているエリア解説本をパラパラとめくった。
偶然目に止まったのはアラゴーニュ地方の「アットワ地溝」。それほど奥へ進みさえしなければ、「インビジ」と「スニーク」でやり過ごせそうだ。次はこのエリアに生息するモンスターを確認していく。見た目が大きくてレベルが高く、それでいてアクティブではないモンスター……。そんな都合のいい標的がいるのかと思っていたが……いた! アントリオン族の「Tracker Antlion」だ。レベルは70〜73なので、最初に撮影する相手としては申し分ないだろう。ただし道中にはアクティブなモンスターが生息しているようなので、知覚遮断アイテムを用意してアットワ地溝へ出発することにした。
アントリオン族を従えて、いざ戦いのステージへ!!
ほどなくしてアットワ地溝へ到着。このとき気付いたのだが、僕はまだアットワ地溝のマップを入手していなかったので、再びエリア解説本を頼りに進んでいく。拍子抜けするほどにあっさりとTracker Antlionを発見。アクティブではないと知りながらも、できるだけ音を立てずに標的の背後からコソッと撮影するあたりに、自分の小心者さ加減が見えて何だが悲しくなったりしたが、めでたく撮影に成功しTracker Antlionの封獣板を入手。あとはこれをパンクラティオン会場にいるNPCに渡して公式魔獣鏡を受け取るだけだ。
アトルガン白門に戻り、早速入手した封獣板をNPCにトレードして代わりに公式魔獣鏡を受け取る。この瞬間からモンスターはパンクラティオン専用の「魔獣」となり、試合に参加することができる。魔獣にはメインジョブとサポートジョブが設定されていることがあり、これは撮影したモンスターによって異なるらしい。ちなみに僕が撮影したTracker Antlion」のメインジョブは戦士、サポートジョブはなかった。
自分と同じ戦士とは、敵としては恐ろしい存在だが何だか親近感が沸いてくる。NPCの説明をひと通り聞いたあと、試合登録を済ませて相棒の出番を今か今かと待ち焦がれていた。試合結果だけなら、終了後から地球時間で約3日以内までならいつでも聞くことができるが、初戦なのでどうしても試合を生で観戦したい。軽く食事をしたりテレビを見たりして時間を潰していると、ついに相棒の試合時間が迫ってきたことを知らせるログが流れ出した。
待ってましたと言わんばかりにテレビ画面からパソコンのモニターへと目を移し、記念すべき初試合の動向をうかがった。そしてついに試合がスタート! ……とほぼ同時に、僕の魔獣はあっけなく倒されてしまった。試合時間は約2秒。これぞ正しく瞬殺と呼ぶに相応しい展開。どうやら相手の魔獣のレベルが恐ろしく高かったようだ。しかしながら、レベル差が開きすぎている相手同士だと、負けても獲得できる経験値が多いのは魅力。これなら負けることに何の屈辱感はないが、負け続けるとさすがに精神的にツライものがあるだろう。当分はビシージが始まるまでの余興として、(負けるとはわかっていながらも)コツコツとパンクラティオンに参加して魔獣のレベルを上げていくとしよう。
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