ディズニーがはじめて描く未来を選択する意味――「ルイスと未来泥棒 〜ウィルバーの危険な時間旅行」

12月22日から公開されるディズニーアニメ「ルイスと未来泥棒」からスピンアウトしたアクションアドベンチャーゲームが同日発売される。今回、来日した映画プロデューサー、ドロシー・マッキムさんにお話をうかがった。

» 2007年12月11日 16時39分 公開
[加藤亘,ITmedia]
「ルイスと未来泥棒」プロデューサー、ドロシー・マッキム氏

 2007年12月22日(土)から全国ロードショー公開されるディズニーアニメの最新作「ルイスと未来泥棒」からスピンアウトしたアクションアドベンチャーゲームがWiiとプレイステーション 2、そしてニンテンドーDSで発売される。

 映画の中では主人公を助ける(振り回す?)未来から来た少年ウィルバーをプレーヤーが操作し、過去と未来を飛び越えて謎の男の陰謀を阻止するという内容。もちろん映画に登場するキャラクターが総出演する。今回は、映画のプロデューサーであるドロシー・マッキム氏にお話をうかがった。

 いたずら好きの未来少年ウィルバーは、毎日のようにタイムマシンでの時間旅行を楽しんでいた。しかし、ある日うっかりガレージのドアを閉め忘れてしまい、大切なタイムマシンを盗まれてしまう。家にあるもう1台のタイムマシンを使って、泥棒を捜すウィルバーだったが、そこへ未来からSOS信号が届く。どうやら、何かの拍子に過去が変わってしまい、それとともに未来も悲惨な姿に変わっていたのだ。ウィルバーは未来を元に戻すことができるのか?


―― ゲーム開発に何か要望はありましたか?

ドロシーさん(以後、敬称略) 製作当初から開発会社とやりとりをしているので、そのやりとり自体エキサイティングで楽しみました。映画製作におけるデータファイルすべてのアクセス権を、ゲーム開発側も持っていたので、映画で変更点が出ても、即座に対応できたわけです。ゲームと映画は違う視点に立っています。映画の中にあるものだけでなく、ゲームならではのシーンを作ったということが素晴らしいことだと思います。だからこそ、映画に出てこないキャラクターや新しい世界を作り出す権利が、ゲーム開発側にも与えられていたのです。我々から要望としては、ゲームなんだからある程度の難度はお願いしました。それと、やはり(プレーヤーに)楽しいという気持ちを持ってもらえることを。願わくば、過去に出たどんなゲームとも異なる“何か”を入れてほしいともお願いしました。

―― 本作がディズニーの映画作品として、はじめての未来を描いていますが、その狙いは?

ドロシー 今回、未来をテーマにしたのは誰もが行ったことがない世界へ皆さんをお連れしたいという気持ちからです。誰も行ったことがない世界となると未来でしょ? 未来の世界は希望に満ちあふれている世界なのですが、ゲームに関しては映画の世界では入れなかった新たな場所へとお連れできると思います。例えば、ロビンソン家の中であったり、彼らそれぞれの個性なんかも表現されています。多少、暗い感じの部分もあるけど、アニメでは明るく表現したところだったりと、その違いを比べることもできますね。映画もゲームも、ともにそこにしか出てこないキャラクターに出会えるはずです。

科学フェアや実験室、そして変わってしまった未来の街も、映画にも登場する場所をじっくりと歩きまわることだってできるのがゲームの魅力

―― 見どころは?

ドロシー 今回の映画での重要なシーンでもあるのですが、ルイスがもし母親に声をかけていたら、その瞬間から時空間は変化していたのですが、それをルイスはあえてしなかった。未来の自分の仲間や家族を選択したんです。その選択のシーンが見どころですね。音楽もはまっていますし。

―― ウィルアム・ジョイスとのコラボについて教えてください。

ドロシー 今回のキャラクターや世界観の設定には、ウィリアムの影響が色濃く出ています。懐かしみのあるレトロな見た目になったのはその影響ですね。原作となっているということもあるのですが、彼の本に出てくるキャラクターはなるべくそのまま登場させようとしました。あとは足りない部分や描かれていないところに個性を加えていきました。

―― 映画とゲームとでは、主人公が異なる点について教えてください。

ドロシー 開発と話している中で、ゲーム化するにあたっては、ウィルバーのほうが子供達に理解されやすい個性と判断しました。冒険心が強く、リスクをとろうという度胸があるのでぴったりではないかと。ゲームを先に遊ぶ方には、ぜひ映画も観てもらいたいですね。もちろん、映画のテーストを感じてもらってから遊んでもらっても面白いでしょう。描かれ方も違うので新しい発見があると思います。今回の映画は、どんな人というものではなく、年齢関係なくみんなのために作った映画です。家族全員で楽しめる精神は、ディズニー映画全般となんら変わることはないのですから。


 Wii、プレイステーション 2、ニンテンドーDSと3つのハードで発売される「ルイスと未来泥棒 〜ウィルバーの危険な時間旅行〜」には、古代エジプトや火山、アリの巣など、不思議な世界が続々と登場する。さらに通常のミッション以外にも、パズルやアップグレード、レアアイテムなどの隠し要素が満載だ

こちらはPS/Wii版。山高帽の男と、その相棒ドリスの陰謀によって、崩壊しつつある未来。過去に戻って未来を変えにいかないと、未来が消えてなくなってしまう?
最初のステージで対決するアリの女王。未来少年ウィルバーに悪意をむきだしで迫る。蟻ロボットが支配するもうひとつの未来となっているが……過去に何が?

ロビンソン一家の愉快で温かい家族たち。ジャズシンガーのカエルや入れ歯を探すおじいさんなどユニークな面々が登場する

こちらがニンテンドーDS版。チュートリアルステージでは、過去のエジプトへと飛び、ツタンカーメン王と一緒に写真をとろうとするウィルバー。しかし、ピラミッドが崩れてきた! 早く脱出しなくてはならない

第一ステージのアリの王女との対決。近くにいる敵をロックオンして、敵の攻撃をかわしながらチャージグローブでアタックするべし!

「ルイスと未来泥棒 〜ウィルバーの危険な時間旅行」
対応機種Wii、プレイステーション 2、ニンテンドーDS
ジャンルアクションアドベンチャー
発売予定日2007年12月20日
価格(税込)6090円(Wii/PS2)、5040円(DS)
プレイ人数1〜2人
(C)Disney
(C) DISNEY ENTERPRISES,INC.

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