ニヤけて笑えて素敵にシュール――世にも珍妙なジェスチャー連想ゲーム「ミブリー&テブリー」レビュー(1/3 ページ)

「ミブリー&テブリー」は、最大4人で遊べる“ジェスチャー連想ゲーム”。ジェスチャー連想って何だ?っていう話なんですけども、そのまんまジェスチャー連想なんです。宴会とかでよくある(個人的には最近まったく見なくなった)ジェスチャー連想がテレビゲームになっちまいました。身振りと手振りの真意をズバッと見抜いちゃおう!

» 2008年03月18日 00時00分 公開
[ITmedia]

珍作! それは名誉ある褒め言葉

画像

 映画、音楽、演劇、絵画、写真……。どのようなジャンルにも“珍作”は存在する。熱狂的なファンから支持されるカルト映画、意外なコラボが実現してリリースされた変テコな曲、1つのコンセプトを突き詰めて作られたマニアックな写真集など、オンリーワンな路線を貫く作品には独特の面白さがある。

画像 ジェスチャー連想の世界にゴー!

 セガのWii用ソフト「ミブリー&テブリー」も、名誉ある“珍作”にあたると筆者は言いたい。今までに例を見ない、本作でしか体験できない、珍妙な面白さにあふれているのだ。ただ、本作がカルトなゲームだとかマニア向けのコアなゲームなのかと言えば、けしてそうではない。むしろ老若男女誰もが垣根なくプレイでき、誰もがとっつきやすい間口の広さも持っている。

 間口の広い“珍作”「ミブリー&テブリー」とは、一体全体どういうゲームなのか。次項からお伝えしていこう。

ポップでシュールな「ミブリー&テブリー」の世界

 本作の“珍”なるゲーム内容について言及する前に、珍妙かつシュールなストーリーやキャラについて触れておこう。

 この世のどこかにあるマイムマイム王国。平和なこの国の秘宝マサムネが海賊に盗まれたため、国のバランスが崩れて争いごとが起きてしまった。マイムマイム王国の女王は勇者の血をひくミブリーとテブリーの2人にマサムネの奪還を命じる。こうしてミブリーとテブリーの旅が始まるのだった……。

 という設定で主人公ミブリーとテブリーは海賊を追って島から島へと渡っていく。まずでもって“マサムネって何だ?”と突っ込みを入れたくなるが、ひとまずのところマサムネはマイムマイム王国の秘宝である像だということしか分からない。ミブリー、テブリーは勇者の血をひくというが、そのビジュアルは勇者の子孫というにはあまりにもポップで何ともミスマッチだ。

 ミブリー、テブリー、そして敵キャラであるマッスル玉三郎、デザイア、ビッグマウスなどのセリフのやりとりはシュールでブラックで脱力系。ミブリーは勇者の血をひくくせにめんどくさがりやなので島の探索をテブリーに押しつけるし、いやいやながらテブリーは冒険に出るし、2人はてんぷらと呼ばれる謎の生物を引き連れているし、とにかく突っ込みどころが満載だ。

 もちろんこういったキャラやテイストは製作者サイドの意図したところだろう。このポップでシュールなノリを好むかどうかというのが、本作への評価が分かれるところか。筆者としてはかなり好きなノリなので、「(賛辞として)バカだなぁ」とニヤニヤしながら楽しめた。

 ちなみに本作の珍妙な世界観、ポップでシュールなテイストに大いに貢献しているのが、田中秀幸氏によるキャラデザインだ。田中氏は「ウゴウゴルーガ」「Oh! スーパーミルクチャン」などでかわいさと毒っ気が同居したキャラデザインに定評がある人気クリエイター。さすがに田中氏の産み出したキャラたち、ミブリー、テブリーだけでなく、敵キャラにいたるまで、どこか憎めないかわいさを持っている。このデザインのかわいさにピンと来て興味が湧いた人もいるのではないだろうか。田中氏のファンであれば、かわいいミブリーとテブリーと敵キャラたちを見るためにプレイしてみるというのもいいかもしれない。

画像 唐突な女王からの依頼に悪態をつくミブリー。大胆すぎます……
画像 島に着くなり、島そのものにも悪態をつくミブリー。わがまますぎます……
画像 犬(?)の“てんぷら”がミブリーのおとも

画像 テブリーに丸投げするミブリー。実はヒント魔法でテブリーを助けるんですけどね
画像画像 敵キャラのデザインもポップ。とぼけた会話が展開する
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」