狩りのお祭り、ここに開催!――“G”のハンターライフは最高にグレート:「モンスターハンターポータブル 2nd G」レビュー(2/2 ページ)
きみはもう1人じゃない……1人と1匹だ!――オトモアイルーとクエストに
村でのクエストにせよ、集会所でのクエストにせよ、今までは仲間のプレイヤーがいなければ1人で狩るのが当たり前だった。しかし本作では頼もしいお供がいらっしゃる。ファンにはおなじみの獣人種(ネコ型)モンスター・アイルーが、オトモアイルーと称してクエストに同行してくれるのだ。
アイルーは、力尽きたハンターをベースキャンプまで運んでくれたり、ポッケ農場で採集を手伝ってくれたり、果てはハンターにおいしいご飯をふるまってくれたり、八面六臂の活躍をしてくれるマスコット的な存在だが、ついにハンター仲間にまでなってしまった。初めは非力なオトモアイルーだが、成長すれば攻撃力や防御力が高くなるし、さまざまなスキルを身につけることもできる。
オトモアイルーにはオトモレベル、なつき度、性格、攻撃傾向、オトモスキルなどのステータスがある。レベルやなつき度が高いほど、ハンターの役に立つ行動をしてくれるだろう。性格や攻撃傾向も重要な要素だ。オトモアイルーの育成や管理は、ハンターの自室奥にあるアイルーキッチンで行える。オトモスキルは3つまで覚えさせることができるのだが、オトモアイルーが成長すればするほど覚えられるスキルは増える。一度何かを覚えても、簡単に忘れさせられるので、いろいろ試してみるのもいいかもしれない。回復笛の術や、モンスターから素材をぶんどってしまう術、そしていっぱしのハンターのようにあんなことやこんなこともできるようになってしまうオトモアイルー。自分の育成したいように育成していけば、1人でのプレイでかなり重宝するはずだ。
単純にもう1人のハンターとして大型モンスターたちも認識してくれるので、囮にもなってくれるし、モンスターの咆哮で硬直したハンターや睡眠攻撃で寝てしまったハンターを助けてくれたりもする。クエスト中にいつのまにかオトモアイルーが採集したアイテムが報酬としてもらえることもある。絶体絶命のピンチ時にオトモアイルーが回復笛を吹いてくれた時は「うぉお」と声が漏れ、泣きそうにもなった。オトモアイルーは果敢に大型モンスターに攻撃をするのだが、ハンターが砥石で武器を研いでいる間にオトモアイルーがとどめを差してくれた時にはうれしいと同時に笑ってしまったりもした。「MHP2nd」などをプレイしたことがある人は想像してみてほしい。遠くにいるグラビモスが小さなオトモアイルーの一撃で最期の断末魔をあげるのだ。「目的を達成しました」と表示されてクリアしてしまうのだ。頼もしく、かつ、面白いにもほどがある。オトモアイルー、万歳である。
そんなオトモアイルーには、さらに面白い要素が盛り込まれている。それがオトモ渡し、オトモ配信だ。オトモ渡しはオンライン集会所で友人に自分のオトモアイルーを渡すことができる機能。オトモ配信はアイルーキッチンでできる機能で、オトモ配信を選択するとPSPがスリープモードになる。その後、同様にオトモ配信をしている他のプレイヤーが近くにいると、お互いのオトモアイルーをワイヤレス通信で交換するのだ。お出かけの際に配信状態にしておけば、どこかで誰かとオトモアイルーを交換しているかもしれない。誰かから送られてきたオトモアイルーは最初はなつき度が低いが、クエストに連れて行けばなつき度が上がるだろう。ちなみに、オトモアイルーはオトモ渡しやオトモ配信で渡したからと言っていなくなるわけではないのでご安心いただきたい。
いつでもどこでも誰とでも――仲間との狩りはコミュニケーション
オトモアイルーを連れた1人プレイも楽しいが、やはりモンハンといえば協力プレイっしょ! ということで、筆者も日々友人・知人と狩猟に明け暮れている。特に本作で追加されたG級クエストは、いくらオトモアイルーがいるとはいえ、1人では半端じゃなくキツくて心がポッキリポキポキ折れてしまうクエストもたくさんある。1本の矢は折れるけど、4本の矢は折れない! というわけで4人で行けば難しいクエストも突破しやすくなるわけだ。
本作が発売されてまだ数日だが、筆者は実にいろんな協力プレイを経験させていただいた。まずは普通に、以前から知り合っている友人とのプレイ。「MHP2nd」の頃から一緒に遊んでいる友人なので、実に気心が知れていてやりやすい。これは最も多いパターンだろう。
しかし友人と筆者の都合はいつも合うわけではなく、それでも狩猟仲間を求める筆者はパソコンのモニタに向かう。インターネット上には筆者と同じようにモンハンが好きでバリバリプレイしている猛者たちがたくさんいるのだ。掲示板などで交流し、都内某所で集まって、いわゆるオフ会ということで狩猟をする筆者たち。これはこれで楽しい。狩猟仲間たちの素性は分からないが、モンハン好きという共通項でつながっているのだ。入れ替わり立ち替わり人が出入りし、そのさまはさながらリアルな集会所。足繁く通えば普通にともだちになったりもする。ネットが発達した昨今、もはや珍しくはない光景だ。
お次に紹介したいのが、突発的クエスト参加。これは本当にあった話というか、筆者がやってしまった行動だ。都内某所の某ファストフード店。ハンバーガー食べながら1人でプレイすっかぁ、と2階に上がり席を探している筆者の目に飛び込んできたのは、3人で本作をプレイする20代〜30代の男たち。「!」と心は反応するが「いや待て。そんな声かけちゃっていいもんかね。いくらモンハンという共通言語があるとはいえ」と自制する声が脳内に聞こえる中、気がついたら「あの、すいません。僕もGやってるんですけど、4人目とかどうですか。もしよかったら」と声をかけていた。
「ハ?」とか「いや、ちょっと……」という反応も予想したが、答えは「え、いいすよ。下位のレイアですけど、むしろ、いいんすか」というもの。受け入れてくれたことがうれしくて「いやもう、何でも行きますよ。ありがとうございます。つうか、すいません、何かホント急に、こんな、ね」と途端にあわあわする筆者だった。そうして2、3個のクエストをリアル野良な4人でプレイした。連絡先を結局交換せずに「じゃあまたここ来たらいますかね」「いるんじゃないすかね」と別れた我々。何だか不思議な交流をしてしまった。
そして最後に、さらに不思議なリアルな集会所的な現象を。また別のファストフード店でのこと。友人2人とプレイをしていたら、筆者たちのオンライン集会所に誰かが入ってきた!「むむ、誰だこれは」と周りを見渡すも、PSPを持っている人は何人かいる。クエストを受注する友人。もしかしたら一緒に行ったりしちゃうのか?と見守っていると、ひとまずギルドカードを送ってきた。せっかくなんでこちらも送り返す。「これでクエストにまで来たら面白いっすね」と言ってたのだが、結局その人は集会所から出ていってしまった。今も筆者のPSPには確実に同じ店にいたけど顔すら知らない人のギルドカードが残っている。奇妙な交流である。
こんなことも起きてしまうのは、ひとえにプレイ人口が多いからだろう。そして本作を熱くプレイしている大勢の人たちがPSPを携えていつでもどこでも狩っていて、誰かといっしょに狩りたがっているということだろう。コミュニケーションツールというわけではないが、面白いコミュニケーションが生じているのも確かだ。もしかしたら、筆者が経験したくらいのことはどこでも起きていることなのかもしれない、と思ってしまった。
あらゆる面で前作を上回った文句なしの傑作 〜狩猟生活、万歳!
実は筆者、本作について書きたいことは山ほどある。あるにはあるが、全部を書いていたらキリがないので、そろそろまとめに入らなくてはならない。以前に筆者は「MHP2nd」のレビューで、そのバランスのよさ、プレイしやすさ、友人と集まっての狩りの楽しさから“シリーズ最高傑作”だと断言させていただいた。では、本作はどうなのか。「MHP2nd」が大好きで何100時間もプレイした筆者は、もちろんまだ「MHP2nd」ほど本作をプレイしていない。しかしここでもあえて独断で言わせていただこう。“「モンスターハンターポータブル 2nd G」は、現時点での「モンスターハンター」シリーズ最高傑作です!”と。
全般的にロードが多い、長いという印象があるPSPでこれだけ劇的に速いロードを実現した点も評価したいし、やはりアイテムまわりの快適さがいい。武器、防具の圧倒的なボリュームアップ、新モンスター、新クエスト、新スキル、新素材、旧マップの復活、頼もしくもかわいいオトモアイルーなどなど……とにかくメチャクチャ楽しくて、今のところやめどきが見つからないというのが正直な感想だ。
ただ、両手放しで大絶賛というのも考え物なので、ひとつだけ苦言を呈すると「ハマりすぎて睡眠時間がすり減ります!」ということだ。おそらくそんな勢いでハマっているハンターたちも大勢いると思うが、みなさま、ほどほどにプレイして健康や日常生活にはお気をお遣いいただきたい。そうは言っても筆者もまだまだ狩猟生活に夢中すぎて、人のことは言えない身分だ。今日も明日もあさっても狩りまくりますよ〜。
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