「プリンス・オブ・ペルシャ」のプロデューサー・Ben Mattes氏に聞いてみた東京ゲームショウ2008(1/2 ページ)

10月9日、東京ゲームショウ開催中にインタビューの機会を得た。ヒロイン「エリカ」役に成海璃子さんが起用されたことも発表。そんなエリカについても聞いてみた。

» 2008年10月14日 14時36分 公開
[記野直子,ITmedia]

 10月9日から幕張メッセにて行われた東京ゲームショウ2008にて、ユービーアイソフトのXbox 360、プレイステーション 3向けソフト「プリンス・オブ・ペルシャ」のプロデューサー・Ben Mattes氏に会期中インタビューすることができた。E3でフィーチャーされ話題を呼んだ本作だが、すでに完成度90%という。

 初めて来た日本で、週末は1日京都で寺周りをするらしいBen氏。初めての日本で東京ゲームショウと京都観光とは豪勢な出張だ。プロデューサーである彼に、「日本のゲーム」について、また、本作を開発するにあたってのさまざまな開発背景について聞いてみた。


Ben Mattes氏

―― 唐突ですが、日本のゲームについてどう思いますか?

Ben氏 日本のゲームはとてもクリエイティブだと思うよ。「プリンス・オブ・ペルシャ」チームも日本ゲームのファンだし。でも、日本ではウケてもアメリカではウケないということが多いのは残念だと思う。なぜならストーリーやゲームデザインメカニックはすばらしいからね。今回「プリンス・オブ・ペルシャ」がとても影響を受けたゲームとして3つあげるとすれば「大神」、「ICO」、「ワンダと巨像」、すべて日本のゲームだよね。これらのコンバットシステムやカメラの動きには非常にインスパイヤされたよ。

 ムービー部分に関してはファイナルファンタジーかな? このような日本ゲームのいい部分をウェスタナイズして、欧米にウケるようにアレンジしたのが「プリンス・オブ・ペルシャ」だと言えるね。そういう意味では日本でもウケてくれるといいんだけどな。「プリンス・オブ・ペルシャ」が欧米だけではなく認知されるゲームになってくれるといいなと思ってるんだ。全世界に受けるゲームとして認知されるとうれしいよ。

―― それでは日本のゲームの嫌いなところは?

Ben氏 「嫌い」っていうのは強い言葉だね(笑)。キャラや設定がとてもかわいすぎるところが欧米には受け入れられてないってことだと思う。文化が違うからしかたがないと思うよ。僕が日本で必ず売れると言われる「ガンダム」を理解できないというのも文化の違いと言えるだろうね(笑)。

―― 日本のゲームと欧米のゲームの違いは何だと思いますか?

Ben氏 日本のゲームはいいところがいっぱいあるよ。ひとつ例を挙げれば、ゲームアクション中のムービーのカットシーンのインテグレーションがシームレスに行われるところ。これは日本のゲーム開発の強みだろうね。特に小島監督の「MGS4」に関しては、インゲームからムービーへの導入があそこまでシームレスに行われるゲームはなかったと思うよ。「デビルメイクライ」や「Ninja Blade」なんかもそうだね。

―― 日本のゲームはリニアと言われるけど?

Ben氏 日本のゲームのもうひとつの特徴的なことといえば「モノを集める」ということかな。集めたモノはゲーム内でいろいろな活用方法があるからユーザーもモチベーションをかきたてられるんだろうね。だから「リニア」とは感じさせないよ。

――  日本のゲーム開発との違いは?

Ben氏 開発のプロセスについては、日本のゲーム開発者と一緒に働いたことがないからよく分からないよ(笑)。

―― 日本の開発会社とのコラボ企画とかどう?

Ben氏 ノーコメントで(笑)。

―― 日本のゲーム開発は感情移入の導入がうまいと言われるが?

Ben氏 そう思うよ。ユービーアイソフトとしてどうやってユーザーの感情を巧みに移入させていくかということをここ数年課題にしているんだ。欧米のゲームは「FF7」と「ワンダと巨像」に学ぶところが多いと思うよ。

―― 一番好きなゲームは?

Ben氏 「ウルティマオンライン」と「ストリートファイターII チャンピオンシップエディション」だね。ストリートファイターはアーケードだよ、コンソール版は好きじゃない(笑)。僕はおそらく何千ドルもこのゲームに使ってしまったよ(笑)。そういえばスクウェア・エニックスの「このすばらしきせかい(英語名:World ends with you)」は今のところニンテンドーDSで一番のゲームだね。プリンスがエリカと出会って協力プレイでゲームを進めていくって意味でも共通点はあるよ(笑)。


       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」