“美の巨人”が似顔絵を描く? 「ジガゾーパズル @rt」東京おもちゃショー2010

今日の1枚は、エドヴァルド・ムンク作っぽい「オバマ大統領」。この絵を語る上で欠かせないのが、テンヨーの「ジガゾーパズル @rt」と携帯電話です。

» 2010年07月20日 21時28分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 今日の1枚は、エドヴァルド・ムンク作っぽい「オバマ大統領」。言わずと知れたムンクの代表作「叫び」と並べると、独特の筆のタッチや色遣いを感じ取ることができます。

photo 今日の1枚

 エドヴァルト・ムンクは、1863年に5人兄弟の長男として生まれました。バラク・オバマ米大統領は、1961年にオバマ家の長男として生まれました。異なる時代を生きる2人に接点がないことは確かです。では、ムンクが描いたっぽい「オバマ大統領」とは、一体何を表しているのでしょう?

photophoto 今日の2枚目は、クリムトが描いたっぽい毛沢東主席(左)。今日の3枚目はダ・ヴィンチが描いたっぽいテンヨー営業マンの井村さん(右)

 この絵を語る上で欠かせないのが、テンヨーの「ジガゾーパズル @rt」と携帯電話です。ジガゾーパズルは、パッケージに含まれる限られたピースだけで、あらゆる人の似顔絵を描けるという不思議なパズル。携帯電話やパソコンで描きたい写真を送信すると、画像解析技術を駆使して、パズルで作り出せる、もっとも近い絵柄の設計図がもらえます。指示通りにピースをはめ込んでいけば、似顔絵ができあがり(→“自分の顔”ができる不思議なパズル「ジガゾーパズル」)。もちろん桜子さんの顔だって表現できます。

 これまでのジガゾーパズルは、単色で濃淡の異なるピースを使っていましたが、今回は素材自体が絵になりました。アイデアとしては素晴らしいものですが、これは同時に自らのハードルを上げることになってしまいました。絵の中に暗いところと明るいところがバランスよく含まれていないと、組み替えて似顔絵は作れません。このため、開発した人たちは、数百枚もの名画の中から、ジガゾーパズルに適した濃淡を持つ絵を苦労して選び出すハメになったといいます。

photo 「東京スカイツリー」のCGから坂本龍馬

 「東京スカイツリー」のCGを使ったジガゾーパズル @rtをみると、その苦労がよく分かります。昼間の絵だけでは、組み替えたときの色が明るすぎ、夜景だけでは暗くなりすぎ。このため、中央で分割して2つの絵を入れました。これもなかなかのアイデアといえるでしょう。

photophoto 前回は300ピースだったが、今回は同じサイズで520ピースと解像度も大幅アップ。より細かい表現が可能になった

 2010年、ジガゾーパズル @rtは、「日本おもちゃ大賞」で革新的な玩具を評価する「イノベイティブ・トイ部門」の大賞に選ばれました。インターネットを活用する革新的なアイデアはもとより、絵画が持つ独特のタッチも再現されるため、まるで美の巨人が自分の顔を描いたような仕上がりになることが評価されたといいます。発売は9月。秋の夜長に一度試してみてはいかがでしょうか。

photophoto ジガゾーパズル @rtは、ダ・ヴィンチの「モナリザ」、ムンクの「叫び」、クリムトの「接吻」、ゴッホの「自画像」が9月発売予定。東京スカイツリーもあまり時間をおかずに発売する予定だ。予価はすべて2310円(左)。パッケージには、名画を1/4に分割した状態でピースが封入されている(右)。これは、「名画と似顔絵で2回もパズルをするのはタイヘン」という配慮による

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