Core i7×高速SSDを積んだモバイルゲーミングPC――新型「Alienware M11x」を駆る進化する“宇宙最強”(3/4 ページ)

» 2010年08月02日 17時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

WXGAの11.6型ワイド液晶、ゲーム用途に配慮したキーボードを装備

 11.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ドットと標準的だ。高解像度パネルのオプションなどは用意されていない。表面は光沢仕上げで、照明などの光が映り込みやすい一方、ゲームや写真などを鮮やかに表示できる。

 輝度は十分に高く、コントラストが浅いような印象もなく、発色は良好だ。視野角はモバイルノートPCとしては標準的な印象で、上下方向が狭いが、ヒンジの角度は約145度まで開くので、見やすい角度に調整できる。

11.6型ワイドの光沢液晶ディスプレイを装備
液晶ディスプレイの角度は約145度と大きく開く

光るだけでなく、ゲームプレイに配慮したレイアウトのキーボード

 前述の通り、キーボードはLEDのバックライトによりキートップ周囲と表面の文字が浮かび上がる。光の色や明るさは付属ユーティリティのAlienFX Editorでカスタマイズでき、独特の英字フォントや表記もAlienwareの世界観の演出に貢献している。

 また、カーソルキー(下方向)の表面にホームポジションと同じ突起があるほか、多くのゲームタイトルで操作キーとして使われる「W」「A」「S」「D」キーは独特の表記でマークが付けられている。主要キーを含め、ほとんどのキーのピッチを17.5×18ミリ(実測)で統一しているのは、文字入力での利用頻度が低いキーが、ゲームの操作キーとしても利用頻度が低いとは限らないことに配慮したものと予想される。配列はEnterキーの右にPgUp、PgDnを配置している点は気になった。

 キートップの表面は、中央に向かって微妙なカーブが付けられており、指を置きやすく、またラバーのようなしっとりとした触感がある。スイッチの感触も反発が強すぎることはなく、適度なクリック感があり、タッチ感はなかなか良好だ。キーボードユニット自体の立て付けもしっかりしており、強くタイプしてもキーボードユニット全体がたわむような感触はない。

タッチパッドは2ボタン式のシンプルな作りだ。パームレストはシボ調でざらりとした手触りがある

 キーボードの手前には、2ボタン式のタッチパッドが用意されている。実測で80×43ミリの大きさが確保されているパッド領域には、細かなハチの巣状のテクスチャが張られており、表面を指がするする滑るような感触は得られないが、操作性はよい。ボタンの感触も良好だ。シナプティクスのドライバがインストールされているが、マルチタッチジェスチャー機能には対応しておらず、パッドの右辺/下辺を使ったスクロール機能なども標準では有効にされていないので、使いたい場合は自分で有効にする必要がある。

 パッドの設定はAlien FXに統合されている「Alien Touch」というツールから変更できる。なお、Alien FXにはこのほか、電源プランを調整する「Alien Fusion」、Webカメラを利用した顔認識によるログイン管理などが行える「Alien Sense」といったツールが統合されている。

タッチパッドの設定は、Alien FXに統合された「Alien Touch」から行える。パッドの右辺/下辺を利用した上下/左右スクロール機能の有効/無効や、感度の調整などが行える

Alien FXには電源プランを調整する「Alien Fusion」、Webカメラを利用した顔認識によるログイン管理などが行える「Alien Sense」といったツールが統合されている

モバイル機ではハイレベルのパフォーマンス

 評価機のスペックは、Core i7-640UM、メモリ4Gバイト、256GバイトSSD(Samsung PM800)という構成で、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD GraphicsとNVIDIA GeForce GT 335Mのハイブリッド仕様、プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumという内容だ。この構成でのベンチマークテストの結果を見てみよう。

 まずWindows 7標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだが、デフォルト状態とグラフィックスの「グローバル設定(優先するGPU)」をGeForce GT 335Mに変更した状態の両方で測定してみた。結果は下に掲載した画面の通りで、Aeroのパフォーマンスを示すグラフィクスのサブスコアは微増にとどまったが、ゲーム用グラフィックスのスコアはグンと上昇しているのが分かる。また、超低電圧版Core i7-640UMを搭載するCPU(プロセッサ)のサブスコアは5.8で、同じ超低電圧版でもCore 2 Duo SU9400など(4.2〜4.4あたりのスコアが一般的だろう)とは大きな違いがある。データストレージにSSDを採用しているため、プライマリハードディスクのサブスコアも7.1と高く、全体にハイレベルなスコアとなっている。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(Intel HD Graphics使用時)
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(NVIDIA GeForce GT 335M使用時)

CrystalDiskMark 3.0dのスコア

 SSDについてはCrystalDiskMark 3.0dのスコア画面も掲載した。評価機が搭載しているSamsungのPM800は性能、信頼性ともに評価が高く、採用例も多いだけに性能面は文句ない。現在のSSD市場にはより高速な製品もあるため、最速クラスというわけではないが、リード/ライト、シーケンシャル/ランダムいずれもハイレベルのスコアをマークしている。特にランダムリード(512K、4K)の速さは高速なSSDならではで、HDD搭載機とは一味違うサクサクとした使用感が体感できる。

 定番のベンチマークテストも設定を変更し、Intel HD GraphicsとGeForce GT 335Mを利用した場合でそれぞれ計測した。デフォルト状態を確認したところ、PCMark05/3DMark06はGeForce GT 335Mを優先する設定となっていたが、PCMark VantageはIntel HD Graphicsを使う設定だった。

 PCMark05ではほぼ「Graphicsの項目だけ」違いがはっきり出ており、GeForce GT 335Mを使うほうが65%高いスコアを出している。5000を超えるCPUスコアも基本性能の高さを示している。また、SSDの効果でHDDスコアも2万5000以上と非常に高い。

 3D描画性能(DirectX 9.0c世代)にフォーカスしたテストである3DMark06ではさらに差が大きく、GeForce GT 335M利用時のほうが5.4倍もスコアがよくなっている。総合スコアも7018という値で、描画負荷の特別高い3Dゲームタイトル以外ならば、一通りはプレイを楽しめるだけのレベルにあることを実証している。

 PCMark Vantageでは、総合スコアでは3%弱ではあるがIntel HD Graphics使用時のほうが上回った。項目別ではGaming SuitesでGeForce GT 335Mが約55%上回り、ほかの項目もほぼ互角かGeForce GT 335Mのほうがスコアが少しよい程度だが、TV and Movies Suitesだけは逆にIntel HD Graphicsが約82%も上回っている。内訳を見るとTV and MoviesのHDTV(MPEG-2/1920×1080i/19.39Mbps)再生で大きな差が付いているため、GeForce GT 335Mの動画再生支援機能が使えていないのかもしれない。いずれにしても、総合スコア自体は7000前後とハイレベルのパフォーマンスであることは変わらない。

PCMark Vantage x64(1024×768ドット)のスコア
PCMark05のスコア
3DMark06(1280×768ドット)のスコア

 いくつかゲームタイトルのベンチマークテストも実施しているが、これらではIntel HD Graphicsを利用する設定のスコアは省略した。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではHigh設定で5426と十分快適にプレイできるレベルのスコアを出しているが、FINAL FANTASY XIV Official BenchmarkのスコアはLow設定で997と低く、公式Webページに記載されている目安では「動作困難」に該当するため、プレイは難しそうだ。

 ストリートファイター4のベンチマークテストではランクA、バイオハザード5のベンチマークテストでもランクBのスコアをマークしており、このあたりなら十分プレイ可能だろう。

FF XIベンチ3のスコア
FF XIVベンチのスコア。ロードタイムは19951ms

ストリートファイター4ベンチマークのスコア(垂直同期オフ)。設定1(デフォルト)は、モデルの品質:高、背景の品質:高、ソフトシャドウの品質:低、セルフシャドウの品質:低、モーションブラーの品質:低。設定2は高、高、高、高、高にセット
バイオハザード5ベンチマークB(DirectX 10対応版)のスコア。設定1(デフォルト)は、影品質:高、テクスチャ品質:高、画面クオリティ:高。設定2は中、中、中にセット

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