「ソーシャルゲームは生き物」 「怪盗ロワイヤル」大ヒットの裏側:CEDEC 2010(1/2 ページ)
「面白くない」「よく分からん」――当初、社内で散々な評価だったという「怪盗ロワイヤル」。大ヒットした秘訣を開発者が語った。
「面白くない」「よく分からん」――ディー・エヌ・エー(DeNA)の稼ぎ頭となっているソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」開発中、社内で散々な評価を受けたという。改善を重ね、公開してすぐ大ヒット。今も盛り上がり続け、DeNAの屋台骨を支える柱の1つになっている。
ユーザーを引き付けるためには「ゲームの本質を最初の5分で見せる」、課金率を高めるには「適切な位置に人参をぶら下げる」など、開発・運用で培ってきたヒットのノウハウを、DeNAの大塚剛司プラットフォーム統括部長が9月2日、ゲーム開発者向けイベント「CEDEC 2010」で明かした。
「ほとんどゲームに触ってこなかった」が……
怪盗ロワイヤルは、プレイヤーが怪盗団のリーダーとなり、ほかのユーザーにバトルを仕掛けて、お宝を盗むゲーム。バトルに勝つためには、ミッションを実行し、レベルを上げる必要がある。
昨年10月にモバゲータウンで正式リリース。昨年12月からはmixiモバイルでも提供している。今年10月オープン予定のPCサイト「Yahoo!モバゲー」ではPC版を提供予定だ。
怪盗ロワイヤルの企画を始めたのは昨年5月末。その少し前から、モバゲーの勢いが衰え、DeNAの売り上げが減少。成長を取り戻す方策に悩んでいたという。「世界の動きを分析し、ソーシャルゲームに勝負をかけていこうと意思決定」したのは昨年の春先。大塚部長もまったく関係ない事業から、モバゲーのソーシャルグラフ(友人関係)を生かしたゲーム開発の事業を担当することになった。
「ほとんどゲームに触ってこなかった」という大塚部長は1カ月で企画を練った。当時のプロジェクト名は「godhand」。「小さいころ、友達の消しゴムを隠したり、隠されたりしたのがすごくハラハラドキドキした」という経験から、ユーザー同士で盗む・盗まれるという“ハラハラドキドキ”感をゲームに盛り込むことにした。盗む行為は「ものが動くので、ソーシャル性と相性がいいのかなという期待感もあった」という。
ターゲットは、ゲーマーではない一般ユーザー。「ヘビーなものにはしたくない」と考え、「2、3時間に1度ポチポチやれば継続的に楽しめるような」作りを意識した。どんな機能も「準備すれば、ユーザーが勝手に楽しんでくれるかというと、そうじゃない」。各機能が盗む・盗まれるというゲームの根幹にリンクするよう、ゲーム構造を詰めていったという。
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