まさにSense of wonderなアイデアを発掘。ゲームの伝統に縛られない、個性的な9作品を一挙紹介!TGS2010【センス・オブ・ワンダーナイト 2010】(5/5 ページ)

» 2010年09月19日 12時54分 公開
[山本大樹,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

ゲームと音楽、両感覚から生まれる新しい感覚を目指した「アノソノコノミチャン」

 プレゼンテーションの最後を飾るのは芸夢中心(ゲイムセンター)の、深見氏と宮本氏が発表する「アノソノコノミチャン」だ。「音楽ゲームの新しい形を模索する事で始められました。まずは今の音楽ゲームの現状を確認するため、手当たり次第に音楽を主題に扱っているゲームをプレイしました。そこで解ったことは、プレイヤーはゲーム上で成功と判定される箇所で報酬として音楽を鳴らすことによって、そのゲームプレイは結果的に、ほぼイコール、リズムをとったり演奏するなどの音楽的な方法が、現在成功している音楽ゲームに用いられている、ということです」。そう述べる深見氏は、この成功している音楽ゲームに使われている手法を用いて、より完成した音楽ゲームができるのではないかと模索して、その結果作った実験的ゲームが「アノソノコノミチャン」ということになる。

 本作のゲームプレイの目的は、赤く染められた惑星を、一つずつ緑に染めていき、最後の惑星までたどり着くことだ。さらにゲームは昼夜が分かれており、昼間はプレイヤーが強く、夜中は敵が強くなる。昼と夜の攻防が、ゲーム的な感覚として、音楽的な部分とゲーム的な感覚が混ざることによって、新たな感覚を生み出しているそうだ。

 なお、この「アノソノコノミチャン」は、マイクロソフト XNA ゲームソフトウェアコンテスト 2010にて優秀賞を受賞しているうえ、今年の「センス・オブ・ワンダーナイト」プレゼン作品で初の3Dゲームである。このゲームを作りたいがために、勤めていた会社を辞めたというエピソードもあり、この作品にはかなり力の入った作品となっていた。

芸夢中心(ゲイムセンター)の、深見氏と宮本氏。ゲーム音楽を片っ端からプレイし、調査するという努力家だ
惑星の全体を緑にすることでステージクリア。夜、敵によって色を変えられることもある

2時間以上に渡って行われた9作品のプレゼンテーション。どれも個性的な作品ばかり

 愛を表現するゲームに始まり、社会的メッセージや数学的ゲームなど、幅広い作風が見受けられた今年の「センス・オブ・ワンダーナイト」。ぱっと見て、仕組みを知った瞬間に「Sense of wonder」な世界に引きずり込まれる、とても面白いイベントだった。2時間以上の長丁場だが、最後まで“pico pico”が衰えることもなく、参加者も十分楽しめたようだ。

また来年、四度目の「センス・オブ・ワンダーナイト」がもし開催されるとしたら、一体どんな作品が出てくるのであろうか。新しいゲームデザインの探求も含まれているインディーズゲームの盛り上がりに、今後とも期待したい

 プレゼンの内容については非常に高評価で「皆さんがどういう考えでゲームを作られているのかがよくわかる」というコメントもあったほどだ。また、「ぱっと見たときに、これは何をやるゲームなんだろう? と解らないゲームというのは、最近ではかなり貴重だと思うんです。なので、次回以降全く何が起こるかわからないゲームというのも、個人的に面白いと思います」そんなコメントをしたのは長 健太氏。確かに最近のゲームには、ぱっと見で何となくどんなゲームかわかってしまうものが多い。そういう意味では、意表をつく勢いで新しいアイディアが溢れてくるこのイベントは、「Sense of wonder」な気分で一杯だった。

 最後にGOW氏から新氏に「センス・オブ・ワンダーナイトは来年もありますか?」と聞くと、「実は、日本のタイトルが今回3つしか選ばれなかったのは、正直に申しますと、海外とのレベルの差がハッキリしているのもあるんです。今、インディゲームというのは世界中でブームになっています。どうすればそういうものを日本でも作れるのか、もしくは今回来てくれた人たちと、一緒に楽しむことが出来るのかというのは、もっと来年に向けて考えて生きたいと思ってます。ですので、日本でもインディゲームを盛り上げたりするのに、皆さんにご協力していただきたいんです。その上で是非、来年もやっていきたいなと思います」そう、IGDA日本代表 新 清士氏は締めくくった。

ALT ITmedia Gamezの「東京ゲームショウ2010」特設サイトもご覧ください

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news138.jpg イオンモールで販売「シフォンケーキ」にカビ発生、5000個回収へ “下痢”の報告で調査中……出店企業が謝罪
  2. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  3. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  4. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  5. /nl/articles/2405/01/news013.jpg IKEAの新作カーテンが「家中これにしたい」ほどすてき!→どうやって付けているの? 垢抜けインテリア術に視線集中「すっごいかわいい」「色味が最高」
  6. /nl/articles/2405/01/news093.jpg 500円玉が1つ入る「桔梗のお花ケース」が100万件表示超え! 折り紙1枚で作れる簡単さに「お小遣いあげるときに便利」「美しい〜!」
  7. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  8. /nl/articles/2404/30/news165.jpg 「これは変態だ」 職人が“鉄の塊”から作った「はぐれメタル」がガチすぎる 狂気の手作業に驚き「いかれてるw」
  9. /nl/articles/2405/01/news104.jpg 「そっち使うの?!」「これは天才」 さびだらけの鉄くぎをぐつぐつ煮込むと……? DIYに役立つ“まさかの使い道”が200万再生
  10. /nl/articles/2405/02/news013.jpg 2歳娘、自分のバースデーフォトをセルフタイマーで…… プロ顔負けの仕上がりに「すごーーーーーーー!!」「天才すぎます」と称賛の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評