世界5400万人が遊ぶソーシャルゲーム「FarmVille」、日本に上陸孫社長も大根をかぶって応援

米ソーシャルゲーム最大手Zyngaとソフトバンクの合弁会社が、日本でゲーム第1弾をリリース。世界で5400万人がプレイする「FarmVille」の日本版を、「mixiモバイル」向けに提供する。

» 2010年12月01日 21時02分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 米ソーシャルゲーム最大手Zynga Game Networkとソフトバンクの合弁会社・ジンガジャパンは12月1日、日本での事業展開第1弾として、農場を舞台にしたソーシャルゲーム「ファームビレッジ」を、「mixiモバイル」向けにリリースした。

 世界で5400万アクティブユーザーがいるという「FarmVille」の日本版だが、日本のユーザー向けに1から作り直したという。発表会にはソフトバンクの孫正義社長、ミクシィの笠原健治社長も参加し、新ゲームとジンガへの期待を表した。

画像 大根のかぶりものを着け、「こんなの初めて」と笑う孫社長(左)と、ナスのかぶりものを着けたジンガのロバート・ゴールドバーグ社長(中)、ニンジンをかぶったミクシィの笠原健治社長

「FarmVilleはマリオやポケモンより多くの人が遊んでいる」

 FarmVilleはFacebookで一番人気のゲームで、農場主となって作物を育てたり友人の農場を手伝ったりできる。月間アクティブユーザー数は5400万人。「スーパーマリオやポケモンより多くの人が遊んでいる」と、ジンガジャパンのロバート・ゴールドバーグ社長は胸を張る。

画像

 日本版「ファームビレッジ」も基本コンセプトは同じだが、日本のユーザーに合わせて1から作り直しており、イラストの雰囲気や細かな機能は異なっている。

 「日本のソーシャルゲームは、ユーザー数も課金額も携帯電話が主戦場」(ジンガジャパンの山田進太郎ジェネラル・マネージャ)のため、まずは携帯電話向けにリリース。SNSとして日本最大のmixiモバイルに照準を合わせた。今後、PCやスマートフォン対応、mixi以外のプラットフォーム対応を検討していく。

 mixiの農場ゲームは「サンシャイン牧場」が不動の人気で、約540万人が利用しているが、「ファームビレッジは農園が圧倒的に広く、その中に作物、動物、デコアイテムなどを入れられる点が今までのゲームと違う。米国でも競合がある中で一番人気になった」と山田ジェネラル・マネージャは自信をみせる。

Zyngaのゲーム、月間2億460万人がプレイ 孫社長「日本で一緒に頑張る」

 米Zyngaは2007年に創業。Facebook向けソーシャルゲームを軸に急成長を続け、社員数は1300人、世界6カ国に13のオフィスを構えているという。FarmVilleを含めたソーシャルゲームの月間アクティブユーザー数は2億460万人と、「世界のネット人口の10%以上」(ジンガジャパンのロバート・ゴールドバーグ社長)だ。

 Zyngaグループのミッションは、「世界をゲームでつなげる」こと。「ソーシャルファースト、ゲームセカンド」を掲げ、友人や家族との交流をより楽しくするための「メールやインスタントメッセンジャーのような」ソーシャルゲームを提供。プレイヤー同士で争うのではなく、協力し合って楽しめるよう工夫しているという。

 ジンガジャパンは、米Zyngaとソフトバンクの合弁で設立。「まちつく!」など携帯電話向けソーシャルゲームを得意とするベンチャー企業・ウノウを8月に買収し、日本で本格展開を始めた。米Zyngaのマーケティング力やユーザー分析ノウハウと、ウノウの携帯電話向けゲーム開発力組み合わせたゲームを提供。将来は、「日本のネット人口の20%か、それ以上のユーザーにアクセスできるのでは」と、ゴールドバーグ社長は期待する。

 「自社の製品ではない製品発表会にやってくるのは珍しい」というソフトバンクの孫社長も会見に現れ、「Zyngaをそれぐらい大切に思っている」とアピール。「ZyngaはFacebookのトラフィックの3分の1をたたき出しており、全世界で成長している。今後はスマートフォン、スマートパッドで1日中、どこにいてもZyngaのゲームが楽しめる時代が来るだろう。Zyngaを得たものがトラフィックとユーザーを得る。ソフトバンクは仲間として、日本で一緒に頑張る」と意気込む。

 ミクシィの笠原社長は、「世界最大のソーシャルゲームメーカーであるZyngaから、世界で一番使われているFarmVilleを提供いただけるのはうれしい。Zyngaは現実の友人・知人とのつながりやコミュニケーションを核にアプリを設計しており、弊社のコンセプトと同じ。今後も次々にアプリが出ると聞き、楽しみにしている」と期待を述べた。

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