第7回:ハイスコア更新は常に命がけ! 「ボーナス獲得=ハイリスク」の法則なぜ、人はゲームにハマルのか?(2/3 ページ)

» 2011年02月23日 14時52分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]

 以下のムービーは、同じくタイトーが1982年に発売したアーケード用アクションゲーム「アルペンスキー」です。本作では、コース上に得点が表示された場所を通過するとボーナスが獲得できる仕組みになっていますが、ボーナス地点があるのは決まって狭いスペースやツルツル滑って操作が難しくなるアイスバーンの近くだったりするので、一歩間違えれば木や岩にぶつかってミス(タイムロス)となる危険性が格段にアップします。さらに2面に進むと、コース上の旗を倒すとスコアがどんどん減点されていくという、これまた厳しいペナルティも存在するのです。

※「アルペンスキー」:プレイステーション2版「タイトーメモリーズ上巻」を使用
(C)TAITO CORP. 1978-2005

 同様の例として、1981年にテーカン(現:コーエーテクモゲームス)が発売した、同社の記念すべきビデオゲーム第1号作品であるシューティングゲーム「プレアデス」があります。本作は全4ステージ構成で、最終面だけは障害物および滑走路の左右で点滅するライトに触れないように自機をゴール地点まで動かすというルールになっています。

 ゴールにさえ到着できればどのルートを通っても構わないのですが、コース上の特定の地点(フラッグがあるところ)を通過すると得点が加算されるようになっていますので、スコアを稼ぐためにはやはり障害物と衝突するリスクとの勝負は避けられません。ちなみに、このステージでは自機に慣性が働くので、慌ててフラッグを取りに行こうとすると途中で急に止まることができなくなります。実際に遊んだことがある人ならお分かりになると思いますが、フラッグを取ったりゴール地点へ無事たどり着くためには意外にシビアな操作が要求されます(本当!)。

※「プレアデス」:プレイステーション2版「テクモヒットパレード」を使用
(C)TECMO, LTD. 2004

「ボーナス獲得=ハイリスク」の法則の応用例

 「狭いスペースにピンポイントで入り込むとボーナス得点がもらえる」というシステムをさらに応用した例をふたつ紹介しましょう。

 まず最初は、KONAMIが1986年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された「グラディウス」です。本作では、周囲の壁にぶつからないようにして特定の狭いスペースに入ると5000点のボーナスが入るようになっていますが、これまでに例として挙げたゲームと違ってボーナス得点があらかじめ明示されていません。よって、「わざわざ狭いスペースを通る意味なんか何もないでしょ!」と決め付けてしまったプレイヤーは何回遊んでもボーナスの存在にずっと気付けないことになります。

 一見何もない場所であっても、「狭い道を通過するとボーナス」というシステムを盛り込んだゲームを過去にいくつも遊んだ経験があるプレイヤーであれば、本作を初めて遊んだ際に「もしかして何かあるかも?」と直感が働いて、初プレイで隠しボーナスをいきなり発見したという人も少なからずいるのではないでしょうか? これもある意味、ゲームにおける一種の学習効果と言えるのかもしれませんね。

 なお、この「グラディウス」の例は以前にも当コラムで紹介した本、「ニンテンドーDSが売れる理由」(秀和システム)にも紹介されていますので、興味のある方はぜひご一読ください。


ファミコン版「グラディウス」では、狭いスペースに入ると隠しボーナスが入るアイデアを採用。もちろん、操作を誤るとミスになるリスクが伴うことはあらためて言うまでもない

(C)1986 KONAMI

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