レビュー
2006年11月07日 14時43分 更新

「テイルズ オブ ザ テンペスト」レビュー:

持ち運び便利になった「テイルズ オブ」シリーズ最新作は“愛”を材料とすべし (2/2)

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3ラインを使ったバトルの難易度は、思った以上に簡単

 フィールドを歩いていると敵とエンカウントして戦闘になるが、通常のRPGと違い本作は背後からや囲まれた状態の、俗に言うバックアタックの状態で始まることが多い。とはいえ、BGMを聞いていればすぐに判別できるので、そんなに焦ることはないだろう。戦闘は、3on3リニアモーションバトルシステムとなっていて、「テイルズ オブ リバース」で使われた3ラインリニアモーションバトルシステムを3D化したものといえる。中央部分に加えて奥と手前にもラインがあり、同ライン上の敵と戦うことはもちろん、隣のラインにいる敵に向かって攻撃を仕掛けることもできるため、戦いのバリエーションも豊富になった。もちろん、ライン間の移動も出来るので、敵の攻撃モーションを見てから別ラインによける、という高度な戦い方も可能だ。

 戦い方は、これまでの「テイルズ オブ」シリーズと同じで、格闘ゲームのような感じになっている。武器を使って敵を攻撃し、相手の攻撃はガードするか避け。あらかじめ特技や必殺技をセットしておけば、テクニカルポイントであるTPを消費して技を出し、大ダメージも与えられる。

 今回は、相手を攻撃するときにAボタンを押して、そのまま離さずにいると“溜め”になり、ダメージの大きな溜め攻撃が可能。同じテンポで攻撃していると、敵は思っている以上に的確にガードしてくる。そこで適度に溜め攻撃を混ぜると、相手のリズムを崩せる……はずなのだが、実際にやってみると意外に使いどころが少ないのが残念。相手がガードしているのを見て溜め始めると、即座に反応してガードを解き攻撃してくる。

 逆に、コンボに組み込もうと思っても、入れどころが難しい。結局は、Aボタン連打で攻撃し続けたほうが早く敵を倒せる、ということになってしまった。だからといって、戦闘が単純作業になっているわけではなく、ノーダメージを狙ってうまく動きながら攻撃するとか、常に敵の背後に回り込んでダメージを与えるなど、ほかの楽しみ方もたくさんあるのだ。

wk_0601106tot10.jpg エンカウントの1/3以上がバックアタックというタイトルも、そうないだろう。しかし、囲まれたからといって本当にピンチという状態にはあまりならないので安心
wk_0601106tot11.jpg 敵と正面から戦うだけでなく、奥へ移動し背後に回り込んで攻撃、などの戦い方もできるために、なかなか楽しい
wk_0601106tot12.jpg 溜め攻撃やガードは、使いどころがなかなか見つからない。ただ倒すだけならAボタン連打がいいだろう。しかし、そこでガードや溜め攻撃を交えて、テクニカルな戦いを披露したいところ

wk_0601106tot13.jpg つけたアイテムによって名前も変わるので、威力だけでなくネーミングにもこだわってみると楽しい

 なお今作では、装備品に一部のアイテムを装着すると強化できる仕組みが採用されている。通常の剣に、雷属性+毒などを加えることもできるのだ。これを利用すれば、敵の弱点属性を持つ武器で攻撃を仕掛けることで、効率よく倒すこともできる。強化できる回数は限られているので、どの組み合わせを狙うかも、ゲームを進める上でのカギになるだろう。

 各キャラの思考ルーチンだが、特技をドンドン使う設定にしているにもかかわらず全然使わないかと思えば、味方のHPが少なくなり赤く表示されているにもかかわらず攻撃術を使ったりと、首をひねってしまうよな挙動が非常に多いのがストレスとなるシーンも。

wk_0601106tot14A.jpgwk_0601106tot14B.jpgwk_0601106tot14C.jpg 敵のいないところを攻撃したり、一度アタックした後に、なぜか戻っていったりと。行動が奇っ怪。仲間の活躍を期待するより、自らが操作するキャラで敵を全滅させるように頑張ってしまった

wk_0601106tot15.jpg この攻撃の仕方を覚えるとボスの吹き飛ばし攻撃を受けても、それ以上移動しないため、すぐに攻撃を再開できる

 ただし、戦闘の難易度は全体的に低めで、対ボス戦もシリーズの中ではかなり簡単な部類に入るだろう。特に、同ライン上ではなく、相手の手前や奥のラインから攻撃を仕掛ければ、根気よく剣を振り続けるだけで勝てるので、アクションゲームが苦手という人でも何ら問題ない。通常戦闘も、味方の思考ルーチンに疑問符が付く以外は、基本のAボタン連打でも切り抜けられるので、テイルズ初心者でも安心して遊べる。

シリーズ初のハードなだけに、まだ手探りの部分も多いが……

 フィールドは思ったよりも広いが、常に上画面にマップが表示されているため、迷うことがないのはうれしい。ただし、高低差は分からないので、最短距離で移動しようとすると段差で行けずに結局は遠回りするハメに、なんてこともありうる。マップ上には何となく道らしきラインも引かれているので、それに沿って移動するようにしたいところ。

 また、森に入ったりもできないので、単なる障害物として認識しておこう。世界地図も見られるものの、街の名前は表示されない。次に行くべき場所の地名が分かっても、世界地図を見ても載っていないため、意外に迷ってしまうことも多かった。その分、数多く敵と戦うため、お金を稼げると思えばいいのかもしれない。ただ、Bボタンを押しながらだと速く歩けるなどの、ちょっとした工夫はほしかった。キャラの移動速度が遅く、グルッと回り込むように移動しなければ目的地へたどり着けないので、何度も往復しているとイライラするかもしれない。後半になれば、船でいくつかの街へは移動できるようになるので、それまではお金と経験値稼ぎだと思って地道に歩こう。

wk_0601106tot17.jpg マップで見ると近くなのに、実際に最短距離で行ってみると段差に阻まれ移動不能、ということになる。しかし、だからといってマップ上をクネクネと移動させられるのはいかがなものか
wk_0601106tot18.jpg 大事なモノに分類されている世界地図だが、それほど情報は得られない。せめて街の位置や名前程度は記しておいてほしかった
wk_0601106tot19.jpg 船で移動できるようになると、かなり楽になる。しかし、クリアまでの時間を考えると、のんびり旅する感覚でマップ上を歩くのが楽しいかもしれない

 迷わなくても往復する理由は、本編以外にサブイベントが複数収録されているからだ。街などで住人と会話をすると、届け物を頼まれることがある。それに従い、指定の場所へ移動して頼まれたアイテムを目的の人物に渡せればクリアとなる(ついでに、元の送り主に荷物を渡してと頼まれることもあるが……)。ところが、サブイベントであるために、行き先がシナリオ進行上の目的地とは反対方向だったりすることがあるのだ。そうなると、長い距離をサブイベントの分だけ歩くことになる。そのへんは覚悟が大事。

 とはいえ、サブイベントをやらずに本編だけで進めていけば、エンディングまで普通にプレイすると15時間前後なので、今時の50〜60時間もかかるRPGに食傷気味の人にはピッタリの1本だろう。その中に、「テイルズ オブ」シリーズの魅力がギュッと詰まっているのだから、お手軽に試せるという意味でもいいだろう。インタフェースに若干のクセがあり、慣れるまで苦労するのも残念だが、そこは「テイルズ オブ」シリーズへの愛で乗り切ってあげるべし。

wk_0601106tot20.jpg これはサブイベントの1つ。東の門の中に現れたスポットと呼ばれるモンスターを全滅させるモノ。これ以外にも手紙を届けて欲しい、や、花を持ってきて欲しいなどと頼まれるイベントもある
wk_0601106tot21.jpg 武器と防具の両方を扱っているお店の場合、どちらかを見終わると一度会話が途切れてしまう。そのため、もう一度話しかける必要がある。ユーザインタフェースとしては不親切なので、今後の改善を期待したい
テイルズ オブ ザ テンペスト
対応機種 ニンテンドーDS
メーカー バンダイナムコゲームス
ジャンル 魂を呼び覚ますRPG
発売日 2006年10月26日予定
価格 5040円(税込)
(C)いのまたむつみ(C)2005 NBGI


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[篠崎薫,ITmedia]

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