FPSの魅力が濃縮。しかも遊びやすい。さあ、世界へ羽ばたこう!「レジスタンス2」レビュー(2/3 ページ)

» 2008年12月25日 15時42分 公開
[水野隆志,ITmedia]

 ところで、1930年代って、そんな昔の話なのか、と思った人も多いだろう。「レジスタンス2」の舞台はキメラ出現から約20年が経った1953年。現代あるいは近未来物が多いFPSでは、このレトロな設定は珍しい。もちろん、その狙いはただの懐古趣味ではない。「レジスタンス」シリーズでは、人間はキメラの手によって滅亡寸前に追い詰められている。そして1950年代は“古き良き”という表現で呼ばれ、多くのアメリカ人が栄光に包まれていたと記憶する時代。つまり、アメリカが最高の栄華を築いていた時代を選ぶことで、繁栄と没落の対比をいっそう鮮明にしているわけだ。日本人にはピンと来ないかもしれないが、プレイの時、頭の片隅に留めておくと、さまざまな演出上のギミックに気づけて、より深く世界観を味わえるだろう。

 レジスタンス世界では1930年代以降、1953年までに以下の歴史が刻まれている。まずキメラがロシアを制圧してしまう。驚いたヨーロッパ各国は封じ込めを目論むが、相手のほうが遙かに強く、この計画はあっさり挫折。1949年になるとキメラは欧州大陸を制圧し、グレートブリテン島も陥落させてしまう。この時点で、実質的にヨーロッパは滅亡した。

ストーリーは前作からの続き。とはいえ、オープニングで基本的な説明をしてくれるので、今作からプレイしても困ることはない。なお、キャンペーンの第1ステージが両者を繋ぐエピソードになっている

 キメラの脅威に対し、アメリカは欧州支援軍を派遣。1万2000名の兵力をもってグレートブリテン島上陸作戦を敢行する。米軍の攻撃は一定の戦果を上げ、人類はかろうじて滅亡を免れ、グレートブリテン島の奪還は成功したが、送り込まれた1万2000名のうち、生存者はたったの1名という大打撃を受けてしまった。激闘を生き抜いた唯一の帰還者、それが前作の主人公であり、今回もまた主人公を務めるネイサン・ヘイルである。

 さて、一矢を報いた人類だったが、キメラの侵攻は止まらない。その攻撃は大西洋を越えて北米大陸にも及び、アメリカも瞬く間に破壊されていく。この危機に対し、ネイサンは再度前線に赴くが、戦いを続けるうち、彼はキメラの正体、さらには己に課せられた逃れられない宿命を知って……。まあ、このあたりはぼかしておこう。ストーリー自体もよくできているので、ぜひプレイして確かめていただきたい。

協力プレイ――3つのクラスが生み出す多用な戦術性

 キャンペーンはクリアまでに結構時間がかかるし、ノーマルに設定した場合、難易度もそれなりにある。だから一気に解こうとせず、ある程度プレイしたら、他のモードも始めてみよう。

 協力プレイと対戦プレイのどちらを選ぶかは完全に好みだが、マップを見ながら戦術を練っていくのが好きな人、あるいはいきなり他人と撃ち合うことに不安を覚える人は、まず協力プレイをやってみよう。ただ、このモードは技量に著しい差があると相手の足を引っ張ってしまうので、慣れる意味でも最初はオンラインではなく、オフラインでプレイすることをおすすめしたい。つまり、コントローラを2つ以上用意して友達と遊んでみるのだ。そしてルールやマップの攻略指針を把握してからオンラインへ挑むといいだろう。

クラスの選択はゲームスタート時に行う。それぞれクラスごとに経験値が累積されるので、オンラインでのプレイに備え、最低1つは成長させたクラスを作っておきたい

 協力プレイには、他のモードにはない特別な要素がある。キャラクタークラスの概念だ。これには、兵士、衛生兵、特殊部隊の3種類がある。

 兵士は安定した攻撃力を持つクラスで、特に前面に立って戦う役割を担う。ファンタジーのRPGでいえば戦士に該当するといえよう。これに対し、特殊部隊は遠距離からの支援を得意とする。同じくRPG風に言えば、盗賊タイプだ。衛生兵は言うまでもなく僧侶。戦闘力がかなり低いので攻撃ではあてにならない。しかし体力を回復させてくれるのは何よりもありがたい。協力プレイは時間による回復がないので、衛生兵がいないとなかなか大変だ。

 協力プレイでは、どのクラスをやるかでゲームへの関わり方が変わってくる。また、組み合わせによっても変わる。兵士と衛生兵のコンビがもっともオーソドックスだろうが、だからといって必ずしも強いわけではない。特殊部隊が初期装備しているスナイパーライフルは一撃の破壊力が大きく、ヘッドショット(頭部に命中させること)ができれば、ほとんどの敵を即死させられる。先に相手を見つけ、先制攻撃を仕掛ければ、戦況は俄然有利になる。だからといって、特殊部隊も万能ではない。敵もバカではないから、狙撃に気づけば遮蔽を取るし、そこから一向に出てこないこともしばしばある。となれば、最終的にはこっちから出向いて引きずり出さねばならないわけだが、こうなると遠距離戦主体の特殊部隊では厳しい。距離を選ばない兵士のほうがこういう時は対応力が高いわけだ。

協力プレイは最大8人まで同時プレイできる。ステージは地名こそキャンペーンと同じだが、マップはオリジナル。キャンペーンのサイドストーリー的な楽しみも持ち合わせている

 このように、クラスの特性を踏まえて戦術を練るのが協力プレイならではの楽しみだ。特にオフラインで友達と遊ぶ場合は、即座に相談もできるので行動の幅が大きく広がる。残念なことにオフラインで遊ぶと1P以外のプレイヤーは経験値の記録ができないのだが(プレイ中は累積可能でレベルアップもするが、ゲームを止めるとデータが消去される仕様になっている)、それでも十分に遊べる。なお、オンラインでパートナーを探すと、味方同士の連携をまったく考えずにひたすら突撃する人に遭遇することもある。まあ、それはそれでご愛嬌。勝率は低いかもしれないが、あえて有利さを捨てるのも悪くない。元がいいから、セオリー無視のプレイもそれなりに遊び甲斐があるのだ。

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