2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その9):ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
ガルカにとって最高の相棒を探しに
チョコボレーシングの賭け資金のために金策でもしようと思ったが、その日はストーリーを楽しみたいと思ったので、長い間放置していた「フェロー取得クエスト」をクリアすることにした。フェローとはプレーヤーと一緒に敵と戦ってくれるNPCで、これを取得するためには計3つのクエストを順番にクリアする必要がある。僕は過去に1つ目のクエストはクリアしており、そこで最初に出される選択肢の違いによってフェローの種族、性別、フェイスタイプが決定されるのだ。
しかし、当時の僕はそんなことは露知らず、出された選択肢を選ぶのが面倒なので、適当にボタンを連打して一番上のものを選んでいた。調べてみると、その結果により選出されるフェローは、ヒューム男の長髪イケメンタイプ。よりによって男だったのだ! 僕は自分のキャラクターを男性のみの種族ガルカにしているのもあり、フェローは絶対に女性キャラクターにしたかった。男×男というむさ苦しい組み合わせに輪をかけて、プロレスラー体型のガルカ+スラッとしたヒュームのコンビ。これは見る人が見ると……。
「ちょっと待ったー!!」とあらゆる手段を用いて、すかさずフェローを変更する方法を調べてみると、どうやら3つのクエストをすべてクリアしてからでないと変更できないらしい。つまり僕は、フェロー取得クエストを2周クリアする必要があるのだ。ここから僕の、ちょっと長いフェロー取得の旅が始まるのであった。
ようやく出会えた運命の人
フェローの種類が決まると次にやるべきことは、エルディーム古墳にいるスケルトン族のNM(ノートリアスモンスター)を倒すことだ。僕自身のレベルが高いのもあるが、このバトルではフェローも参戦するので難なく撃破することに成功。そのあとはいよいよ、ドラゴン族のNMを撃破するためにゲルスパ野営陣へと向かうことになる。
このバトルではレベル40制限がかかり、相手もドラゴン族ということでクリアできるか不安だったが、LS(リンクシェル)のメンバーが戦士なら楽勝に勝てると教えてくれたので、その言葉を信じてBF(バトルフィールド)に突入する。ドラゴン族と戦うのは、ランク2のミッション以来だが、やはり大きい敵と対峙するのはそれだけで興奮する。このバトルでもフェローが参戦。ドラゴン族が使用する石化攻撃が厄介だったが、そのすべてがフェローに向かって発動され、僕自身は何の影響もなく攻撃することができて、本当に簡単に倒せてしまった。
あとで知ったことだが、フェローが倒されても敗北となるので、実は危うい展開だったのだ。とにかく、これでようやくすべてのフェロー取得クエストをクリアし、依頼人のNPCからフェローを呼び出せるアイテム「シグナルパール」を入手。その過程のイベントで、イケメンヒューム男から「何かあったら、このパールで呼び出してくれ。これからヨロシク!」みたいな台詞を言われた。この段階まで来ると、あれほど敬遠していたこの男にも若干の愛情が生まれていたりする……。
長いイベントで何度も顔を合わせ、そして一緒に強敵を倒してきた仲だ。再びクエストをクリアする面倒さもあったので、「もう、コイツのままでもいいかもな……」と自分に言い聞かせてみたが、やはり自分に嘘はつけない。ついさっき「ヨロシク!」と言われたばかりのヒューム男との縁を切り、もう一度最初からやり直すことにした。今度は卒業アルバムでお気に入りの子を探すかのように持っていた攻略本で吟味し、「このコでお願いします!」とミスラを選択。最後までタルタル♀とどちらにしようか悩んだが、身長差を考慮してミスラにした。それにしても……僕はいったい何に労力を使っているんだろう。
経験値がガッポリ獲得できる初のプロミヴォン巡りへ
最近、LSメンバーのログイン率が低めなのだが、そのときは久しぶりの賑わいをみせていた。最近あった出来事やヴァナ・ディールでの生活など、懐かしの対面で次第に会話が弾んでいく。そのなかでメンバーの1人が「3国ENM(※)に行かない?」と提案してきた。これはよくほかのプレーヤーがシャウトで募集していることがあるが、「プロマシアの呪縛」ミッションで訪れたホラの塔、デムの塔、メアの塔のBFでボスを倒すことが目的。ミッションのときとは異なり、各場所でボスを倒すと経験値3000とアイテムが入手できるらしい。つまり3カ所クリアすると計9000の経験値が獲得できるわけだ。そんなことはまったく知らなかった僕は、アイテムよりも経験値欲しさに「やりましょう!」と賛同した。
参加するメンバーはちょうど6人。各場所ではレベルが30に制限されるので、装備品や薬品アイテムを揃えてジュノに集合することになった。チャットはもとより、こうやってそれぞれのキャラクター同士が集まるのはすごく久しぶりだ。各自準備万端で集合を果たしたので「テレポ」を使って、まずは比較的難度の低いデムの塔へ。最初にこの地に訪れたときは戸惑ったものだが、今はその経験があるので移動方法やルートはおてのもの。強敵に襲われることもなく、すんなりBF前まで到着することができた。
しかし、ボス戦を前にするといささか緊張してしまう。と同時に、あの緊張感満載のバトルがもう一度味わえるんだと、ワクワクしてきた。それはほかのメンバーも同じらしく、とくに久しぶりにログインした人は「コントローラーを握る手が汗でびっしょりだよ……w」とのこと。僕だってそうだ。ひょっとしたら僕のミスで全滅してしまうかもしれない。しかし、そんな緊張が張り詰めた中で個々が役割を果たし手に入れた勝利は、通常の敵では味わうことができない充足感がある。野良パーティーのときは、いつも失敗を恐れてただ緊張してしまうばかりだった。でも今は、久しぶりに再会した気心の知れたメンバーたちと、失敗を恐れず楽しんでプレイしよう。少し大げさかもしれないが、そう固く決意をしてコントローラーを握りしめ、BFへ続く扉を開けた。
いざ戦ってみるとボスは昔に戦ったときよりも弱く、敵を弱体させることができる「アニマ」系のアイテムを使わずとも難なく撃破することに成功した。それもそのはずで、以前のバージョンアップで各塔のボスが弱体化されていたからだ。若干拍子抜けはしたものの、それでもパーティー全員で協力した結果が出たことはとてもうれしい。何より今回は経験値とアイテムも獲得できるのだ。このバトルで調子づいた僕たちは、それから連続して残り2カ所の塔を巡り、ピンチになることなくすべてのボスを倒すことができた。アイテムはどれも金策にならないものばかりだったが、計9000もの経験値と、久しぶりに体験したメンバーたちとのたわいない雑談が、そのときの僕には何よりの報酬になったのだ。
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少し遅れた冒険者がお届けするヴァナ・ディール奮闘記。今回はアトルガン皇国の傭兵になるため、監視哨を目指すエピソードをメインに紹介していく。その道中で見た熟練冒険者の腕前に、幼いガルカは脱帽です!!
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