まず基本をそろえて、そこからさらなる高みを目指す――「DEKARON」大型アップデートを実施して:「DEKARON」インタビュー(2/3 ページ)
――では、次にプライベートダンジョンについて教えて下さい。今回実装されたダンジョンは4つとうかがっていますが、それぞれ何か異なる特徴を備えているのでしょうか?
パク プライベートダンジョンの実装ですが、1つには狩場の少なさを解消するという目的もありました。従来はプレーヤー同士が、お互い気をつかいながらモンスターを倒すという状況でしたから。
4つあるダンジョン「深遠の魔窟」、「亀裂の魔方陣」、「クレスポの宝」、「新平の迷路」には全て、異なる入場条件が設けられています。一番難易度の低いダンジョンはレベル5から入場できますが、中級〜上級ダンジョンはレベル制限だけでなく、その内容もかなり難しい物ですから誰でも気軽に入ってクリアできる、というものではないですね。
なお、プライベートダンジョンへは入場料という形でゲーム内通貨が必要になります。ですから、まだレベルの足りない人が知らずに行って、入場料だけ取られないようにという配慮です。各ダンジョン内も、ただモンスターを倒しまくるわけではなく、制限時間内に全ての敵を倒す、ダンジョン内に設置されているバーを引くといった目的が用意されています。
――1人で乗り込んでモンスターを倒すというのではなく、プレーヤー同士の協力が必須になりそうですね。
パク ええ、バーを引くというミッションにしても、間違ったバーを引いてしまうと罠が動き、パーティ全員が危機に陥るなど、色々な仕掛けが施されていますから、それなに強いキャラクターでも楽しめると思います。レベル100以上のダンジョンは、パーティで挑んでも、きちんと作戦や各プレーヤーの役割分担を事前に決めておかなければ、相当厳しいですよ。
――入場料を払ってまで挑戦するダンジョンは、経験値・お金・アイテムのどれが一番“おいしい”のでしょう。
パク やはりレアアイテムでしょう。武器・防具、セット装備のドロップがありまして、従来のアイテムにはなかった強い装備品が手に入ります。特に上級ダンジョンはクリア自体が大変難しいので、今後もレアアイテムがワールド内に数多く流通するということはないでしょう。
――プライベートダンジョンは、今後も数は増やす予定なのでしょうか。
パク この次のアップデートで1つ新規ダンジョンが追加されます。また、この4つのダンジョンについても、「拡張」という形で階層が増やしていこうと考えているんです。単純にフィールドを追加しても、プレーヤーの飽きは早いですし、開発側としても1つの地域を丸々作るよりはプライベートダンジョンの追加・拡張のほうが効率的なんです。また、ミッションや罠を仕掛けるといったアイディアを実装しやすいのもメリットです。
――新エリア「アクアリス」はその名前の通り、水中のグラフィックスがとても美しいマップですね。どんなマップなのでしょう。
パク アクアリスは推奨レベルは100〜120の、高レベルキャラクター向けの新エリアとなります。既存のエリアにはもう飽きてしまった、遊ぶところがないというプレーヤーには、ここで緊張感溢れるプレイを楽しんで欲しいです。アクアリスのテーマは海の底なので、移動モーションもただ歩くのではなく、泳ぐスタイルに変わります。
――何かアイテムを使わないと、HPが減って窒息するなんてことはないのですか。
パク それはないですね(笑)。かつて栄えた王国が水の底に沈んでしまったという背景がありまして、難破船や古代の都市がそのまま残った景色などは、今までにない特徴です。プレーヤーはこのアクアリスに隠された財宝を目指して冒険することになります。ですが海の中という設定以外はごく普通のエリアですので、何かアイテムがないと呼吸ができないといった、特別なシステムはありません。
――出現するモンスターは、やはり海の生き物に関係しているんですか。わたし自身も「DEKARON」はプレイしていますが、まだこのアクアリスには、とても行けないレベルなもので、実際に見に行けないんです……。
パク 海の生物というよりは、滅びた王国の住人が幽霊化したモンスターなどが出現しますよ。特にボスモンスターなどはいませんが、一部モンスターのレベルがかなり高い分、ドロップアイテムはなかなか良いものが出ますので、ぜひ挑戦してみて下さい。
――お話を聞く限り、アクアリスは見た目が海中である、という点以外に、何か際立った部分はみられないのですが。実は今後の展開で、非常に重要なマップになったりしないのでしょうか。
パク 「DEKARON」のシナリオ全体で、このアクアリスは大事な位置をしめています。今後のアップデートで重要度を増すエリアになることは確かです。
――メインの部分について、だいぶ細かく説明していただきましたが、今回の実装にあたって、もっともバランス調整に苦労したのはどの部分でしたでしょうか。
パク 攻城戦に関わる内容ですね。これは弊社のGMでも「難しくて突破できない」といった感想が出たほどです。しばらくは韓国の様子を見たりしながら、場合によっては日本の攻城戦は独自にゲームバランスを調整することすら考えています。
――日本と韓国のプレーヤーのプレイスタイルが異なる、というのはさまざまなメーカーから聞いていますが、元々、PvPという競争を含む攻城戦でも、日本独自の仕様が必要になるものでしょうか?
パク ええ、攻城戦に対する注目度からして違います。韓国のプレーヤーは結果に、日本のプレーヤーは過程に焦点を置いて遊ぶ傾向があります。ですから、攻城戦の難易度があまりに高く楽しめないと、やはり参加するプレーヤー数も減ってしまいますよね。我々としては、せっかく実装するコンテンツは最大限に生かしたいですから、日本向けにある程度の調整は必要だと思います。
――バランシングで最も熟考されたのは、新規アイテム、特に装備品周りの能力かなと予想していたのですが、意外にも攻城戦でしたか。
パク 今、プレーヤーにとっても我々にとっても壁となっているのは、やはり攻城戦ですね。
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