“和”と“間”で魅せる、秀逸なホラーアドベンチャー:「零〜月蝕の仮面〜」レビュー(2/3 ページ)
死神は細部に宿る? ディテールにこだわった“間”の演出
心霊との戦いは避けては通れない要素だが、もうひとつ本作で避けては通れないものがある。それは館や病院の中を移動しての“探索”そのものだ。
本作では、Wiiリモコンにヌンチャクを装着した状態でプレイすることになる。コントロールスティックで移動し、Bボタンで射影機を構えたり下ろしたりできる。射影機を構えている時にAボタンを押せば撮影することが可能だ。通常時は懐中電灯を構えているのだが、Wiiリモコンを上下に動かすことで懐中電灯の灯りも上下に動く。
シリーズ旧作品と異なって、本作ではプレイヤーキャラの後方視点でのプレイになるので、臨場感、没入感は抜群。まるで自分が探索をしているかのような感覚に陥ることだろう。懐中電灯とWiiリモコンのシンクロも臨場感アップにつながっており、非常によい。基本的に真っ暗な場所を移動し続けるので、懐中電灯でちゃんと見たいところを照らすという操作が重要なのだ。
懐中電灯で照らした先にアイテムがある場合は、Aボタンで調べて入手することができるのだが、ここでもちょっとした演出上の工夫がなされている。まず、暗さを優先するがためにアイテムの場所が分かりにくいということがないように、調べられる重要なモノが近くにある時は、画面右下に青い光が表示される。さらにアイテムそのものが視界に入ったら、暗闇の中で光って表示されており、取り逃しにくいように配慮されている。
また、重要なアイテムを取る際は、ただAボタンを押すだけではダメで、Aボタンを押し続けることで手をぐっと伸ばすという“間”が存在する。アイテムに手が届く前にAボタンを離すと手に取るのをやめることができるというのも芸が細かい。アイテムを取る、という行為は本来ならAボタン一発でポンッととれるのがユーザーフレンドリーではあるのだが、本作におけるこの間の演出は恐怖を醸し出すためにバッチリ機能しており、けして冗長ではない。プレイヤーを楽しませるために必要な間なのだ。
同様に、ドアを開ける時の絶妙な間と演出も素晴らしい。ロードに時間がかかった昔ならいざ知らず、最近のゲームでは、部屋から部屋へ、廊下から部屋へという移動での余計な間は極力なくしてロードレスで快適にプレイさせる、というのがゲームとしてのまっとうな進化だ。本作もやろうと思えばもっとスムーズにドア移動ができるのだとは思うが、ドアを開ける時のモーションにあえてイヤ〜な間を作っている。キャラクターの緊張感が手から伝わってくるような、グッと力を込めてドアノブを回す“ため”の演出があったり、ドアを開ける時だけ誰かが見てるような妙な視点に切り替わるなど、プレイヤーをドキドキさせる演出がちりばめられている。
プレイヤーキャラの移動が遅い、というのも、探索の恐怖を味わうに必要な要素だと言っていい。Zボタンで走ることもできるが、それでも遅く感じられる。ゲームのプレイとしては、その遅さにイライラすることがあるかもしれないが、先に何があるか分からない状況で歩くリアリティとしては、あまりシャカシャカ歩かれても情緒がないわけで、このトコトコと歩き、じわじわと迫り来る恐怖がたまらない。
フィールド内のディテールの無闇な怖さも特筆に価する。さすが“和”物のホラー、屋敷や病院内の日本ならではなオブジェやアイテムの数々が、日本に生きている自分の心を確実にくすぐる。壁にかかっているお面などはけして身近だとは言えないが、それでも日本のお面としてあり得ないデザインではないので、それらの実在を想像したりして、怖くなったりもする。風にそよぐカーテンや、チカチカと点滅する電灯など、とにかく全体的に細部にこだわったフィールドの数々は、歩いているだけでも十分に怖いシロモノだ。
アドベンチャーゲーム的な謎解きも、ふんだんに盛り込まれているのだが、これに関してはやや簡単な印象を受けた。ほどほどに歯応えはあるが、ハードなアドベンチャーが好きな人からすれば物足りなさを感じるかもしれない。全体を包むホラーとしての質の高さが補っているという感じだ。
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